もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

相手の立場になって考える

 小学生の時によく言われる言葉である。相手の立場になって考えましょう。自分がされて嫌なことは相手にするのもやめましょう。

 

 コロナワクチン接種で大阪茨木市の役所会館に老人たちが大挙して詰めかけ大混乱となり、市長お出ましの上に謝罪することになったらしい。茨木市は受付をインターネット、電話、直接窓口の3か所で対応していた。ネットの使い方がわからない、電話してもつながらないことから直接窓口へ大勢が押し寄せた様子である。中には順番をとるために前日から並ぶ徹夜組もいたらしい。(元気すぎるやないか、注射しなくてもよいのでは?)

 

 デジタルネイティブの若者に依頼しているのではない。マウスクリックなどしたこともない年寄り相手にスマホかPCで予約申し込みをせよはいくら何でもないだろう。少し考えればわかりそうなことではあるが。

 

 人間なんて程度の差はあれど往々にしてこの程度のものである。相手の立場になって考えることなんてなかなかできない利己的な生き物なのだ。小学生の時に言われたことも大して満足にできないのだ。そう考えると人間って厄介だねーと日曜朝から思うワシであった。

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ワクチン

 

 

時計の秒針が凄いことになっている 

 ワシが昔から愛用している腕時計は6000円くらいのスウォッチである。プラスチックで軽いし、安いし、手首が汗で痒くならないし、防水性だし、電池も自分で直ぐに交換できるので、これを使っている。もっともスマホを持ってから腕時計をする機会そのものが激減してしまったのであまり使うことはない。

 

 そういえば河野太郎大臣もアトピーで普通の時計は手首がかゆくなるため竹製の腕時計をしている。Amazonで1万円以下で売っている。かつて韓国外務大臣と握手した際に光の反射で竹が光って見えた際の映像を早とちりして、金時計なんて成金趣味だとか、恥を知れ、と嫌味を言われたのに対し、竹製ですが何か?と返して相手を黙らせていた。

 

 話を戻す。いつの頃からかスウォッチ秒針が回らなくなった。秒を刻む音はでているし、時間も正確なのであるが、秒針だけが動かない。支障はないので放置しておいたところ、久々に見ると凄いことになっていた。

 

 時計を見る度に秒針が万華鏡のように動いているではないか!しかも時刻はなぜか正確ではないか!

 

 というわけで今後もこの時計を壊れるまで使用し続けることにした。(もう壊れているのか?)

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秒針がとれた

 

銀行通帳の磁気が壊れた

 先日土曜日に郵便局ATMで通帳の記帳を行ったところ読み取りエラーが出て弾かれた。ATM機械を替えて試みたが同様の結果だっただので通帳がおかしくなったことに気づいた。

 

 ATMから弾かれる場合、これまでの経験上2パターンの不備がある。ひとつは前回印字された文字の濃さが薄い場合にこれが起こる。文字を鉛筆などで濃くすると正常作動するケースがこれまでにも何度かあった。今回はそうでならいらしい。もうひとつは単純に強力な磁場に接触した際に起こる磁気乱れが起こっている場合である。この場合は窓口へ行くしかない。

 

 結果的には磁気乱れであった。磁場に触れた記憶がないのであるがスマホカバーについている磁石が何かの拍子で触れたのかもしれない。この場合、通帳交換だと思っていたのだが、最近は磁気修正マシーンなるものに通すことで復活させることが出来るのだ。

 

 もっとも通帳履歴などは今やネットバンクを申請していれば24時間いつでも自分のPC画面で見れるので不要といえば不要である(実際に現在は新規口座に伴う際の紙通帳作成は有料になっている)こうやってデジタル化はすすんでいくのだ。

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磁気不良

 

 

 

 

 

 

コロナ禍GWはアニメを見た

 以前に少し触れた『憂国のモリアーティ』というアニメの続きをAmazonプライムで更新されていたのでまとめて視聴した。

 

 いよいよホームズとの接触が本格化する。イギリス国家機密の文書がアイリーン・アドラーによって盗まれた。その文書はフランス革命を社会的実験として遂行するための計画書であり、なんとあのロベスピエールが先導し立案したものという凄い設定。秘密裡での文書奪還と情報を知った人間の抹殺をイギリスが企てる。これをネタにモリアーティらが国家と裏取引しながら、行き場のないアドラーを味方に引き入れるという内容。一体どうなっとるんやというぶっ飛び様。

 

 彼らの最終目的は英国の身分制度である階級社会制度の破壊である。現代人目線から見れば目的自体は高尚だ。目的のために犯罪という手段を用いるモリアーティとそれに対峙するホームズの対比描写が面白い。世界史を見ても暴力革命が成功した事例はそれなりにあるので、それに至る過程は自由獲得への苦しみなのか。たまたま不運にもその時代に生き、巻き込まれた人はたまったものではないが。例えば処刑されたルイ16世とか。世が世なれば名君として生涯を過ごしたかもしれん。

 

 シャーロックホームズという物語は単なる子供向け推理探偵小説ではなく、当時の階級社会へのアンチテーゼともとれる。確か江戸川乱歩怪人二十面相も類似した設定だったような。なかなか手の込んだアニメ。シャーロックホームズとフランス革命の基礎知識が無いと意味わからんかもしれない。子供向けとは思えんなー。

 

 フランス革命で思い出したが、昔ラセーヌの星というアニメ番組があった。確かワシも小学生3年くらいの時に見ていた。毎回冒頭でマリーアントワネットが群衆の前で罵声を浴びせられながらギロチンにかかるシーンからオープニングテーマが始まる。当時は全く理解できなかったが、改めて見直すと凄いアニメだ。日本のアニメって海外からも注目されているようにレベルが高いわーと思った休暇でした。

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モリアーティ

 

 

 

 

令和日本の大問題 丹羽宇一郎著 (東洋経済新報社)

 GW中に図書館で借りた新刊である。丹羽氏の本は以前に他にも何冊か読んだことがあるが、パワフルでエネルギッシュなおっちゃんという印象である。世の中にはパワフルでエネルギッシュな人種がいる。ワシは正直苦手なタイプであるが、このような人は生まれながらの特性なんだろうという気がする。

 

 副題が『現実を見よ! 危機感を持て!』となっている。これからの日本そして世界の問題を列挙し現実を直視して危機感を持てと述べている。いずれの問題も過去からいずれ必ず起こると言われているものばかりである。その時にも手は打てずに、後手後手でいままでズルズルと持ち越されてきた問題たちだ。現実を見よと言われてもギリギリまで見ようとしない、いや問題が起こって初めて目を向けるのは悲しいことだが人間の性である。人類の歴史を振り返っても愚行は時代と場所を変えて何度も何度も繰り返される。

 

 ワシは正直、危機感という言葉はあまり好きではない。危機感は精神論と同じ範疇に分類される。気合で頑張れ、というのと大差ない。現状が分かっていない、危機感が足りない、危機感を持てとよく言われる。どうしたら危機感を持つことができるのかと会社でもよく言われる。若手社員は意識が低いとか危機感が薄いとか。

 

 危機感は目に見える物質や物体ではない。従って、持てと言われて、はい!持ちます!という代物ではないし、はい!持ちます!という輩に限って今後おそらく持つことはない。

 

 危機感は醸成するものである。従って醸成するための背景が必要だ。背景とはその所属社会の文化であったり歴史であったり、道徳であったり、民度であったり、習慣であったり。でも確かに醸成するのを待っているだけの時間的猶予はもうないのかもしれない。

 

 多少悲観的だがこの本に列挙された問題はなるようにしかならないように思う。それが人類が意識的にか無意識的にかは別にして選択した全体意思である。本書には解決案は提示されていない。人間は流れの前には基本、無力である。

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にわ氏

 

太秦へ行ってきた 

 今年のGWも緊急事態宣言がでているので遠くへ旅行に行けない。かといって巣ごもりでは健康にもよくないということで朝早く近場の太秦へ散策に出かけた。

 

 なぜ太秦なのか。妻が古代歴史ミステリーの秦氏遺跡に興味を持っており、また近場であったことから散策してきた。立ち寄ったところは石舞台古墳に匹敵する蛇塚古墳や弥勒菩薩のある広隆寺、三柱鳥居のある蚕ノ社秦氏先祖を奉る大酒神社、コロナで休村中の映画村である。

 

 秦氏聖徳太子の頃に大陸から様々な技術をもたらした渡来人の豪族で、祖先はユダヤ人ではないかという説もあると歴史では習った。なるほど秦氏ユダヤを関連付ける証拠が多くあり、歴史ミステリー好きには心躍るものがあるのだろう。

 

 有名な蚕ノ社の三柱鳥居は近くで見ることができた、確かに珍しいもののようだが少し新しくないか?と思った。近くにある大酒神社はすごく小さかったが由緒ある神社のよう、祭神は秦酒公に加えなぜか秦の始皇帝も入っている。昔は大避、大闢という字をあてた。これは中国でダビデ(古代イスラエルの王)を意味し、そもそも太秦に字がちかい大秦はローマ帝国を意味する。人がいなくて閑散としていた。

 

 広隆寺では弥勒菩薩が超有名であるが、門の前に写真が貼ってあったのでそれを眺めることにした。実際に拝観するには800円かかるのだ。弥勒菩薩は56億7千万年後の未来に現れ人々を救うという。現代の天文学では太陽寿命は後50億年なので、個人的にはまあそういわずにもっと早く来て救ってよという感じだ。こちらも拝観時間前だったのでだれもいなかった。

 

 蛇塚古墳は思いっきり住宅街の中に石が積みあがっていた。大きさは石舞台古墳に匹敵するらしいがいまいち知名度や演出が足りない。観光地にするならもっとやりようがあるのではないか。数人の見学者がいた。

 

 こののち松尾大社まで歩いた。天気が良く嵐山方面の川べりには巣ごもりから出てきた人がいっぱいであった。電車で朝10時過ぎに帰宅した。15000歩で12km。

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蛇塚古墳

 

 

 

奴隷の鎖自慢

 会社員は現代版の奴隷制度であると思うようになってきた。もちろん古代ローマ時代の奴隷制よりかは各段に待遇は改善されているし、多くの場合命のやり取りもない。かろうじて基本的人権は守られているのだろう。(最近はパワハラなどそうでないケースもままあるけど)けれども生きるためにはなんらかの組織に所属せざるを得ず、その組織内には強者/弱者という力の序列が存在し、自らの意志の有無に関わらずにその指揮命令で動かざるを得ないという点ではまあ本質的には同じである。

 

 その対価として賃金が払われるわけではあるが、まともなギブアンドテイクにはなっておらず、安価で過剰な労働力を要求する資本家側が有利な契約になっている。奴隷は生かさぬよう殺さぬよう、なのである。

 

 奴隷の鎖自慢という言葉がある。出典は明らかではないようだ。奴隷である期間が長く続くとそいつらは奴隷の証である足枷の鎖自慢を始めるというのである。自分の鎖は相手よりも立派であるとか、よく光っているとか。よく仕込んだものである。日本の民主主義教育による洗脳の勝利である。しかし結局のところ奴隷は奴隷やろがーという話。

 

 現代日本の会社員をよく風刺している言葉だと思う。自分は正社員だとか、公務員だとか、○○会社に勤めているとか、そういう類のやつだ。人を雇用する資本家目線でいえばちゃんちゃらおかしい議論である。あなたが○○会社所属であろうが何であろうが独力では何もできない交換可能ないち奴隷にしか過ぎないのだ。そんな意味でいうと鎖自慢は末期症状だともいえる。

 

 みんな同じではなくひとりひとりが創業者、個の能力を開花し生活できる世を望むばかりだ。

 

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鎖自慢、ワシのはお前のより重くて頑丈だぜ!