もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

読書

英文を読む

昨年夏にきちんと英語を読みたくなり、メルカリで入手した入門英文問題精講を読み始めた。2ヶ月ほどで2回くらい通して読み、なかなか面白かったので続いて、同じ著者の英文熟考(上)を新刊で購入した。新刊を書店でしかも英語本を買ったのは何十年ぶりだろう…

いまを楽しむ人生論 森毅著

数学者、森先生の本を図書館で借りてきた。2010年に故人となられているので若い人にとっては既に歴史上の人物なのかもしれない。 先生は数学以上に随筆やエッセイなどによる意見発信が有名。およそ数学者とは思えぬ、まあええがな、しゃあないがなーという緩…

入門英文問題精講を休日にやっている

最近の問題集の評判が良いのでどんなものなのかを確認するため(←なんでやねん)、妻にメルカリで400円で購入してもらった。ほぼ新品に近い状態である。この値段で時間を潰せるなら安い。 短英文が全部で72題あり、多くがどこかの大学入試で扱われた英文の抜粋…

まんが弓道士魂を読む

無料漫画サイトで弓道士魂というタイトルの漫画を読んだ。表紙が既に今の時代にそぐわない劇画風であったのであまり期待はしていなかったが、予想に反して面白くのめり込んだ。1970年頃の漫画らしい。京都三十三間堂の通し矢を題材にした内容である。 通し矢…

春宵十話 岡潔 光文社文庫

久々に本屋で新刊を購入した。最近はほぼ図書館で借りているがなんか無性に読みたくなり衝動買いした。476円也。 天才数学者であり、それゆえに奇行が多いことでも知られる岡潔の随筆書である。ワシは何となく狂気じみた奇人変人が結構好きなのだ。それはな…

休日にマンガを読む

『応天の門』というマンガを少しずつ読んでいる。アマゾンプライムで3巻無料なのがきっかけで、毎日3話づつ読める無料サイトを活用している。 応天門ですぐに思い出すのは、大納言の伴善男による門放火事件、いわゆる866年応天門の変(野郎ろくでもない大納言…

ジョン・マン 4青雲編 山本一力 講談社

身寄りのない万次郎は船長に引き取られてともに生活することになった。その間、教会へ行ったり読み書きを学びに小学校へ行ったりする。 船長は捕鯨船員としての万次郎の有能さに魅了され、小学校を出た後は航海の高等教育学校へ行かせようと考えている。この…

ジョン・マン 3望郷編 山本一力 講談社

万次郎を乗せた捕鯨船はグアム島や高知沖などで捕鯨したあとホーン岬(南米大陸の下端)を経由してアメリカへの帰路へ着く。 高知沖ではなんと土佐の捕鯨船とすれ違うなど故郷までもう少しという処まで接近するが、ハワイに残した仲間を慮ってかろうじて海に…

ジョン・マン 2大洋編 山本一力 講談社

救出された万次郎たちは日本に行くわけにもいかず、そのまま捕鯨船の新米乗組員green handになる。漂流者とはいえ言葉も通じず、仕事もせずただ飯食いと一部の船員から文句が出始めた頃、名誉挽回の機会が訪れる。高知では海の魚群を見張る係とまかない炊事…

ジョン・マン 1波濤編 山本一力 講談社

ジョン万次郎の物語。高知の漂流漁民から奇跡的にアメリカへ渡りその後幕府の通訳として祖国へ戻る生涯を描いたものである。300ページの厚みで巻数が6冊もあるので手を出せずにいたが、この度トライした。 第一巻目の波濤編は万次郎を含む5名が高知沖の嵐で…

管見妄語シリーズ 藤原正彦著 (新潮文庫) 

数学者、藤原正彦氏の本は昔から好きで出版されているものはほぼ読ませてもらった。文章の書き方、言葉の選択が他の文筆家にはない新鮮さを感じ、最初は数学者特有のものなのかと思った。 管見妄語は週刊新潮に連載している短編コラムを集めたものである。文…

電子図書館で日本史マンガを読む

会社近くの図書館で電子図書館が開通。未だ冊数は少ないが自宅PCやスマホで貸し借りができ、すぐその場で読むことができる。歴史漫画のラインナップが充実していたので登録した。 何冊か借りて読んだ感想。絵のレベルは今風で向上しており綺麗ではあるのだが…

神と語って夢ならず 松本侑子著 (光文社)

久しぶりに本を1冊きちんと読み通した。最近、集中力がなく本が長時間読めなかった。 本書は文庫本では隠岐騒動というタイトルに改題になっている。明治維新前後の隠岐島において農民と松江藩との対立を描いたものである。なんと代官を島から追放し世界初の…

徒然第四段 後の世のこと

なんと1行だけ。 『来世のことを忘れず、仏の道に近いのは素晴らしいことである』という内容。 なんというか来世のことを想うのはおそらく生物では人間だけである。ほかの生き物は日常そんなことは考えない。来世どころか明日のことも考えない。今のことし…

徒然第三段 万にいみじくとも

『いろんなことに優れていても恋愛を好まない男はつまらん愚物である。しかし、がむしゃらにのめりこみ、女子から敬遠されるのはよくない。』 先生の恋愛観であるが、週刊誌の安っぽい記事のようでもある。英雄、色を好むという。色を好まない人物は、それ即…

徒然第二段 いにしへのひじりの御代

『古来の聖な政治を忘れ、一般人が困窮しているのを無視して、俺はえらいから豪華絢爛にするわーと言ってる輩はむかつく。高貴な人の身の回り品も質素なものでよい』という話。 質素倹約を強調している。社会主義国でないので配給制で全員平等に同じ服を着て…

徒然第一段 この世に生まれては

ワシが私淑し目標とする徒然草の兼好先生に敬意を表して、その内容に関して勝手に思うところを書いてみよう。全部で243記事あるけど大丈夫やろうか。 『人間、このようになりたいという欲望やプランがある。そのプランは学問や芸術などの世界で人から一目置…

カムイ伝 白土三平著 小学館叢書

カムイ伝などの代表作で知られる漫画家白土三平さんが89歳で逝去された。ワシがこの有名なマンガに触れたのは高校の図書館で、読み始めると止まらずとても衝撃を受けたのを覚えている。 士農工商穢多非人という階級制度があった江戸時代を舞台に被差別部落出…

権田地理B講義の実況中継 語学春秋社

2022年から地理が高校で必修になるらしい。これまで長年にわたり世界史が必修であったために、高校で地理を学ばない人も多かった。ワシもそのうちの一人である。中学生の頃、割と地理が好きだったので授業がないのが残念であったが、独自で勉強して大学入試…

オーヘンリー短編集で思ったこと

オーヘンリーの短編を原文英語で久々に読んだ。AFTER TWENTY YEARS(「20年後」)という6ページほどの短編である。オーヘンリーの短編は「最後の一葉」や「賢者の贈り物」がすごく有名であるが、この「20年後」もなかなか印象深い。昔高校生の英語リーダー教…

啓発録 橋本左内 (講談社学術文庫)

本棚の本を処分していたら啓発録を見つけた。昔、会社の研修時に外部講師の方が勧めていたために購入したものである。懐かしく再度目を通した。 啓発録は安政の大獄で若くして処刑された福井藩の天才、橋本左内が14歳の時に書いた自己を律する規範の文章であ…

勉強の価値 森博嗣 (幻冬舎新書)

森先生はもともと名古屋大学工学部の建築学科の先生であるが、アルバイトで始めた作家業が大ヒットしたため、ミステリー作家としての顔の方が有名になってしまった。もはや働く必要がないほどのヒットぶり(確か映画化もされたはず)であったので47歳で早々…

方丈記 鴨長明 いろんな出版社

徒然草に続いて方丈記の解説本を読んだ。徒然よりもさらに100年前、無常の文学で有名な作品だ。 長明の時代、京都で起こった大火事、大地震、竜巻、大飢饉、突然の京から福原への遷都。いずれも抗い難い自然や大きな権力が関与しており、個の力ではなすすべ…

令和日本の大問題 丹羽宇一郎著 (東洋経済新報社)

GW中に図書館で借りた新刊である。丹羽氏の本は以前に他にも何冊か読んだことがあるが、パワフルでエネルギッシュなおっちゃんという印象である。世の中にはパワフルでエネルギッシュな人種がいる。ワシは正直苦手なタイプであるが、このような人は生まれな…

一門  神田憲行 (朝日新聞出版)

棋士、森信雄。故村山聖九段の師匠である。この門下よりプロ棋士がたくさん輩出されていることからも数ある入門先の中で名門といってもいいだろう。 森棋士個人は目立った成績を上げている訳ではなく、他にも時代を代表する凄い棋士は大勢いる。自らのことを…

日本のすがた2020 矢野恒太記念会

日本国勢図会のジュニア版である資料集、日本のすがたという冊子を久々に見た。小学生の頃に社会科でこの本を持っていて良く眺めた記憶がある。日本の経済、産業、社会に関するデータが記載されているため地理好きにはなかなか面白い。 国内で最も長い川、大…

世界から格差がなくならない本当の理由 池上彰(SB新書)

格差は広がり続けるという現象に理論的な裏付けがされた。トマ・ピケティの格差論『21世紀の資本』にある理論式r(return on capital)>g(economic groeth rate)である。労働で得られる収益率gは株不動産運用で得られる成長率rに勝てないというもの。早い…

僕に踏まれた町と僕が踏まれた町 中島らも (PHP研究所)

初版1989年。当時高校2年生だったワシはタイトルに魅かれてこの本を読んだ。中島らもはコピーライターでもあるので、もしかするとこの本のタイトルも出版社でなく自らつけたのかもしれない。 内容は彼が過ごした地元の町でのモラトリアム時代(高校生、大学…

徒然草 兼好法師 (様々な出版社)

最近徒然草の訳本を読んだ。古文は学習する意味が全く理解できなかったためまともに取り組んだ経験がない。大昔の受験生時代、センター試験でも問題文を全く読まずに適当に解答してやった。取り組む以前にやる気がないのだ。世の中に先人たちが訳した現代語…

「2020」後の新しい日本の話をしよう 河合雅司(講談社)

コロナが始まった後に出た本で、未来の年表シリーズの一部なのだろうか。 未来予想をする本も多い中、この著者のシリーズはなかなか人気があるようだ。 タイトル通り2020年以降2059年までの今後40年で起こるであろう近未来について予想している内容である。…