もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

コロナ禍GWはアニメを見た

 以前に少し触れた『憂国のモリアーティ』というアニメの続きをAmazonプライムで更新されていたのでまとめて視聴した。

 

 いよいよホームズとの接触が本格化する。イギリス国家機密の文書がアイリーン・アドラーによって盗まれた。その文書はフランス革命を社会的実験として遂行するための計画書であり、なんとあのロベスピエールが先導し立案したものという凄い設定。秘密裡での文書奪還と情報を知った人間の抹殺をイギリスが企てる。これをネタにモリアーティらが国家と裏取引しながら、行き場のないアドラーを味方に引き入れるという内容。一体どうなっとるんやというぶっ飛び様。

 

 彼らの最終目的は英国の身分制度である階級社会制度の破壊である。現代人目線から見れば目的自体は高尚だ。目的のために犯罪という手段を用いるモリアーティとそれに対峙するホームズの対比描写が面白い。世界史を見ても暴力革命が成功した事例はそれなりにあるので、それに至る過程は自由獲得への苦しみなのか。たまたま不運にもその時代に生き、巻き込まれた人はたまったものではないが。例えば処刑されたルイ16世とか。世が世なれば名君として生涯を過ごしたかもしれん。

 

 シャーロックホームズという物語は単なる子供向け推理探偵小説ではなく、当時の階級社会へのアンチテーゼともとれる。確か江戸川乱歩怪人二十面相も類似した設定だったような。なかなか手の込んだアニメ。シャーロックホームズとフランス革命の基礎知識が無いと意味わからんかもしれない。子供向けとは思えんなー。

 

 フランス革命で思い出したが、昔ラセーヌの星というアニメ番組があった。確かワシも小学生3年くらいの時に見ていた。毎回冒頭でマリーアントワネットが群衆の前で罵声を浴びせられながらギロチンにかかるシーンからオープニングテーマが始まる。当時は全く理解できなかったが、改めて見直すと凄いアニメだ。日本のアニメって海外からも注目されているようにレベルが高いわーと思った休暇でした。

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モリアーティ