もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

医師はバリウム検査を受けない

 

 会社の健康診断で朝から胃バリウム検査を受けた。そしてその後事件が起こった。下剤センノシドを1錠飲んだが6時間経っても排出しない。これまでにこんなことは一度もなかった。心配になりもう1錠、予備の下剤を追加し水を飲みまくった。しかしでない。

 

 以前は下剤を飲んで2時間もすればトイレに直行だったのに。年をとって大腸もボケているのだろうか。夜10時になっても兆候すら感じない。気が気でなかった。このまま糞詰まりになったらどうしようか。バリウムは体内で固まるので一刻も早く排出すべしと聞いている。明日朝までに出なければ病院へ行こうと覚悟して近隣のレントゲン施設を持つ消化器内科リストをチェックしたのち、その日は寝ることにした。

 

 翌朝6時、激しい腹痛で目が覚めトイレに直行、ミッションは完了した。ふー、焦るわ。一安心。

 

 そもそもバリウム検査はほぼ意味がないという医師も多い。実際、医師自身はバリウム検査を受けないケースが多いようだ。理由はがんを早期発見できないし、バリウム検査で怪しいなと思うケースはどのみち再検査で胃カメラを飲むからである。ある程度進行した病状でないとバリウムでは見分けることはできないのだ。だったら最初からバリウムよりも1000倍高いがん発見率を誇る胃カメラでよくないか?というのが大半の医師の意見である。もっともである。ただお手軽さと費用がかかるのが欠点。

 

 ではなぜ健診項目にバリウムがあるのか。それは厚生労働省のがん検診指針にこの検査が未だに含まれているためであるという。この指針がずいぶんと昔の指針だったりして。また営利目的やバリウム検査技師の雇用確保という点も見逃せない。日本はこういうのが多い、いったん決めると既得権益なんかも絡みなかなか新しく更新できないのだ。

 

 会社によってはバリウム検査を廃止したところもあると聞く。素晴らしい英断である。次年度はぜひ回避できる術を考えたい。