もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

50才になってしまった。

 

 とうとう来てしまった。新入社員のとき、社内の50才の人間を見てなんてオッサンなんだろうと幻滅した覚えがある。将来こんな風になりたいと思えるオッサンが誰もいなかった。バリバリてきぱき働いているのは30代でその次に40代、50代は一体何をしているのかもよくわからなかった。その50代のリストに自分が名を連ねてしまうとは。この先どのように生きていこうか、を思案中である。

 

 50才の記念に会社から通知が来た。これまで十分働いたからもうゆっくり休んでねという通知であれば名残の涙を流して(うそ、狂喜乱舞のまちがい)受け取るが、先日受けた健康診断の結果であった。結果は、、、、!!

 

 お前はすぐ病院へ行け!という通達だった。面白くない。以前から高かった血液検査のLDL-c(悪玉コレステロール)が基準値を大幅に上回ったのだ。来るべきXデーが遂に来たと思った。これまで懸命に大量に飲んだLDL-cを低下するという噂のトマトジュースは一体何だったのか。全く効果がないではないか。努力は報われず正義は滅びる、という学生の時に読んだ本の題名を思い出した。

 

 仕方がないので内科ではなく良さそうな循環器内科を選定し、土曜の朝から赴いた。出てきたのはワシとほぼ同い年の先生だ。持参した血液検査(今回のと10年前のデータ)の結果を見るなり、嗚呼、180台とても高いー、年々高くなってるー、と言った。その他の項目や体重なんかは問題ないため、高めに出る体質なのでしょうということ。10年前も正常値であったが上限値に近かったのだ。

 

 このタイプの人は食事や運動を気を付けてもなかなかLDL-cが下がらないのですよー。そういう体質だからー、と言った。そして、実は私(先生のこと)もLDL-c下げる薬を毎日飲んでるんですー、私は数値140台で飲み始めましたーと自慢げに喋られた。見た感じ全く太ってはいないが、数値が高めに出るとのこと。LDL-cと心筋梗塞発病は明らかに相関性があるために、循環器内科医としては看過できずに早めに予防策をとったということらしい。

 

 そういうわけで『ロスバスタチン2.5mg』を毎日1錠飲むはめになってしまった。おそらく未来永劫続くのであろう。歯医者、皮膚科、眼科に加えて、循環器内科も定期訪問のレパートリーに加わってしまった。しかし、これだけ医療機関にかかりながらでないと健常を維持できないとは。人間50以降は医療や環境に無理やり生かされとるという感じやね。どうでもいいが病院の診察カードばかり増えていくのは何とかしてくれ。