もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

長岡先生の数学集中講義

 

 気が付けば4年かかった。参考書『YouTubeで学べる 長岡先生の集中講義+問題集(旺文社)』の数学解説動画が無料で上がっている。高校数学全範囲で計3冊あり、すべて視聴すればなんと23時間分の講義である。講師は懐かしの数学者、長岡亮介先生である。

 

 最初この情報を知ったとき、懐かしさのあまりこれはもうみるしかないと思った。長岡先生はその昔、旺文社受験ラジオ講座の数学講師でワシも高校生当時にラジオを半分寝ながら聞いていたのだ。数学の先生では真っ先に思い出すのが当時津田塾大の長岡先生と早稲田大の寺田文行先生であった。

 

 とはいえ膨大なボリュームである。多くの数学知識もすでに忘れてしまっている。でも、まあ頭の体操ボケ防止がてらボチボチ見てみるかという感じでやってきた。途中飽きて長く中断した期間も何度もあった。

 

 普段の生活で数学をやりたいなと時々だが思うことがある。これはワシに限らずにしばしばこのような話は聞く。鬱陶しい人間関係もなく、時間を忘れ、大仰に言えば、真理や公理を眺めつつ論理だてながら一つの解へ到達するという手順が単純に気持ちがよいからだと思う。

 

 解答があっていれば尚嬉しくなる。こちらが気付かないエレガントな解法を示されると、おーーと唸って尊敬の念を抱いてしまう。現実逃避するには安上がりで最も適した科目の一つである。

 

 という感じで着手してから4年の月日が経過し、ようやく最後まで終わった。我ながらなかなかしぶとい。当然であるが最初にやったものはすでに忘却の彼方でほぼ覚えていない。

 

 さて次は何をやろうか。会社員をもう暫く続けるには、安価でお手軽な現実逃避の手段が必要である。