もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

税金たかい

 国家とは何か。国家の構成要素は領域、国民、主権であるという。これは定義というか教科書的な模範解答。

 

 Youtube授業では高校生に国家を成すものは暴力装置(公権力)と徴税機構である、と教えていた。こちらの方が共感性と腹落ち感が高い。外部からの敵、および内部秩序を乱すものに対して、自分たちの共同体を自衛しながら運営する。

 

 その国家運営維持コストのため、国家に属する者たちからもれなく税金を徴収することになる。嫌だと逆らえば代償にペナルティを負い、悪質な場合は暴力装置が強権発動する。これら二つはセットである。最近の海外ニュースを見ていて、また国内の政策を見ていて、つくづく国家とは暴力装置と徴税機構そのものであると感じる。

 

 日本での税徴収は法的には大宝律令からであるが、実際はすでに邪馬台国のときから存在していたらしい。邪馬台国弥生時代、稲作文化が国内伝播し始めた歴史の黎明期にある。貯蔵できる資産(米)を手にした時から人の世界にそれまでに無かった貧富と身分差が生まれ、税金が発生した。これは世界共通の自然則である。太古から税に悩み、苦しみ、生まれてから亡くなるまで税のことを考えてきた。

 

 と思ったら、税金のない国が存在した。ナウルアンドラ公国などがそれである。ナウルはドル箱のリン鉱石で栄え地上の楽園と言われたが、採掘し尽くして経済崩壊。誰も働かないので失業率90%。近隣国からの生活保護という名の援助で成り立っている。

 

 アンドラは観光や輸入関税が収入源であるが人口や国土規模が小さいから成立できている。隣国景気に財政が大きく左右される。果たしてかれらはハッピーなのか。