もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

脱資本主義の雰囲気

 

 脱資本主義の議論が最近起こっている。日本だけでなく国全体が貧しくなるとこのような話が浮上するのは世界共通かもしれない。

 

 筆頭は現政権の『新しい資本主義』とベーシックインカム議論、斎藤幸平氏の『新人世の資本論』だろう。新人世は社会主義礼賛でなく、この行き詰った資本主義の時代にこそマルクスを再度見直す時期に来ているのでは?と提案している先生である。

 

 日本は世界で最も成功した社会主義国と皮肉っぽく言われる。日本が資本主義国と思っているのは日本人だけ?確かにアメリカのように会社CEOの年収が一般社員の300倍といった格差はないし、病院では貧富の差なく誰でも保険診療で平等に診てもらえる。国民の思想もみんなと同じ横並びが大好きで、出る杭は嫌われ嫉妬される。本家の中国人をして日本という国は理想的な社会主義国である、と言っているとか言ってないとか。

 

 日本は資本主義ではあるが欧米資本主義とは色合いが異なっているのは確か。それはおそらく島国、単一民族、農耕稲作文化、近代以前に他国占領の経験がない、といったところが要因だろうと思う。元々みんなで分けて仲良く助け合いの精神が生まれる土壌がある。(近年はこれが一部面倒でうざったいわけであるが)

 

 いずれにせよ、国が貧困化すると社会主義的な考え寄りになる。しかし行き過ぎた社会主義は歴史を見ても独裁ともっと酷い貧困をもたらす。バランスが難しい。画期的な経済システムを誰か発明してくれないかしら。