もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

世界最高齢119才ばあちゃん、コーラを飲む

 世界最高齢のバアチャンが119歳を迎えたニュースがあがっていた。生まれは日露戦争開戦の前年という、生きる歴史書のような人物である。驚異的だ。

 

 それはそれでよい。ちょっと気になるなと思ったことは、コカ・コーラ社がお祝いに記念品を贈ったことである。バアチャンは炭酸飲料、コーラが大好きでよく飲んでいるという。案の定、コーラ片手にしたバアチャンの写真がTwitterで拡散されている。

 

 ワシ個人の穿った見方であるが、コカ・コーラ社はこの写真がネットで拡散することを見込んでお祝いを行っている気がしてならない。会社にとってバアチャンは良い広告塔であろう。コーラは糖分が多すぎとか、骨が弱くなるとか、虫歯になるとか、中毒性が強いとか、なにかとマイナスイメージが強い飲み物だ。コーラ大好きでよく飲むのに長生きする、しかも世界最高齢となれば、コーラってそんなに体に悪くないのではないか?と皆思うではないか。

 

 このイメージを世界に流布するには莫大な広告宣伝を会社は行う必要がある。かかる費用も莫大だ。それをお祝い記念品とコーラを手渡すことで済むのだから美味しい話ではある。もちろん会社はあからさまにそんな下品なことは口が裂けても言わないし、日頃ご愛飲頂いているお礼と細やかなお祝いですということなのであるが、本音は別のところにあるように思えてならない。なんだかんだ言っても資本主義社会における会社の存在価値、第一のミッションは儲けることであるからだ。相手の本音と建前はよくよく考えた方がよい。無料で善意で何かを他人のために行う行為ほど怪しいものはないと思っている。真摯なボランティアの事例のように、もちろん全部が全部怪しいわけではないが。

 

 というわけで素直にこのニュースに感動できないワシは資本主義的思考に大変毒されている。これはこれで悲しい話だ。