もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

早期退職、加速してる

 

 5月ごろパナソニックが50歳以上の社員に対し、退職金を上乗せするから自主的に辞めてくれーという衝撃ニュースが走った。おそらく早々訪れる70歳定年制の義務化を見越した素早い対処だと思われる。あまり景気が良くないのに、あまり会社の体力がないのに、この生産性が低く、これからさらに低くなるであろう大量のおっさん達をあと20年も雇用するなんて勘弁してくれ、会社が持たないという悲鳴が聞こえてきそうである。

 

 そしてホンダも55歳以上の早期退職応募に対して2000人が応募したというニュースが飛び込んできた。電気自動車EVの開発加速に合わせて技術者の世代交代を図るという方針のもと、応募者は自分たちはもう用済みであると首を差し出したということだ。

 

  まったく涙が出そうな話である。従業員は家族の一員ですと言っていた高度成長時代の会社はもはや日本には存在しない。これからは電池モーターの時代、ガソリンエンジンしか知らないおっさん達はご苦労様でした、会社のお荷物にならないようにさっさと辞職して下さいということだろう。時代の変化とは言えやりきれないものがある。

 

 技術の加速が早いと思う。そんなに新しい技術を人は欲しているのかとも思う。稼ぎ続けねば市場からの退場を突き付けられる資本主義経済体制にほころびが出てきているとも思う。(かといって社会主義共産主義がいいとは思わんけどね)社会のため、顧客のため、家族のため、会社のために、身を粉にし精神をすり減らして働いたのちに残るものは、優勝劣敗 弱肉強食の社会であったという皮肉。こんな社会の形成のために我々は日々働いてきたということになる。ワシは細く長く生きることができる社会を望む。