もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

賃金労働者のつぶやき


 自分の身体以外に働く資本を持たない賃金労働者は、かつては低賃金・長時間労働の過酷な条件に対し、互いに団結し物理的結集をもって資本家と闘った。

 昔は資本家(ブルジョア、会社側)vs労働者(プロレタリアート、組合側)という明確な対立構造が存在したが、今や会社側と組合側は馴れ合いながら予定調和を行う関係になっている。


 思うに一番の原因はかつての賃金労働者が、賃金労働者を継続しながら会社側の人間に昇格しているため。昨日まで組合側だったのに今日から会社側に就いてねとかいわれても、なんで?!となるではないか。しかもこの構造になってからは低賃金・長時間労働は会社側に属する人間にこそ当てはまる問題となっている。

 

 残業代を払わなくて済むように店長や課長に無理矢理とりあえず昇進させる、名ばかり課長が巷では流行っているではないか。名ばかり課長になると組合の保護から抜け、定額働かせ放題プランに移行するために、固定給さえ支払えば残業代なしでジャンジャン仕事をふることができるというお得な制度である。

 

 早い話、対立構造が変わっており、労組は昔のように機能しておらず形骸化している。ワシの勤務先も労組はあるが、対立は何も生まない、共に手と手を取り合おう仲良し路線となっている。ならそもそもこんな仕組み自体いらんのではという訳で、組合費払いたくないんで加入を任意にして欲しいっス、という若手が出てきている。大変至極当然な意見である。

 

 ワシも一回くらい団結鉢巻を巻いてストライキ(昔でいう一揆といってもいいでしょう)をやってみたかった。というか、仕事にやりがいがないのでもう人生ストライキしてもええぞ。誰か賛同者いないかしらん。