もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

脱二酸化炭素について思うこと

 脱二酸化炭素が気候環境に有効かどうかはさておき、世界はこの流れにある。

 

 CO2 は炭化水素を燃焼した際の最終生成物の一つで反応性の低い非常に安定物質である。エネルギーからみた物質の安定性はその物質のもつギブス自由エネルギーで表すことができるがその値は - 394 kJ/mol。

 

 再利用するにも、もともとエネルギーレベルの低い CO2から中間有価物質を合成するためにどうしてもエネルギー源として還元用の水素が必要。大量に利用可能で安価、かつ製造・利用過程で CO2排出増につながらない水素調達が最大のボトルネックとなっている。

 

 究極的には製造過程で CO2を排出しない再エネ由来水素が必要になるのは明らかだが、技術革新・普及は困難を極める。それまでのつなぎとしてメタンを水素源利用もひとつの候補と有識者は言っている。

 

 地球からCO2を排除しなければならないと仮定して、どんな方法があるか考えるとCO2を地球の土中岩盤へ固定化、海洋投棄し固定、宇宙へ捨てるくらいしか多分ない。

 

 土中岩盤へ固定化はすでに取り組まれている。日本では苫小牧で実証が行われている。しかし、CO2を集め(当然液化にしないと運搬効率悪いね、液化の電力はどうする?)、苫小牧まで運び、ポンプで地下へ圧縮CO2を送るとなると、このエネルギー(電気やガソリン)などを考えると一体どんだけ意味あるのかと思う。地震でも起こり岩盤亀裂が入れば、地上へ漏れ漏れになり苦労が水の泡だ。一体何やってるのという感じになる。

 

 従って本気で大規模にやるには海外で地震が起こらない、かつ石油なんかを汲み上げた空洞跡の利用が良いことになる。日本で排出したCO2を海外現地まで運ぶのにCO2をさらに排出するという矛盾はある。

 

 海洋投棄も日本郵政なんかがプロジェクトに参加している。ドライアイスを海に沈めるとある程度の深さから海水温度や圧力が保たれるので気化せず固体のまま海底に貯まるらしい。日本は横に海溝があるのでいいんじゃないのと思った。けどこれもいろいろと越えるべき課題はありそう。生態系の問題とかほんとにそのままの位置で固形CO2は形をとどめたまま動かないのとか。

 

 宇宙に捨てるというのはなかなか素敵である。しかし誰がどうやって宇宙まで持ってくいのだろう。

 

 化石由来エネルギーを使うということはCO2を排出するということである。原子力エネルギーを使えば核廃棄物が排出されるというのと考え方は同じだと思う。CO2がいよいよダメということになると原子力利用が再び市民権を獲得するのだろうか?