もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

新入社員は懲役40年か

 今年もフレッシュな新入社員が入ってきた。24年前、ワシもこんな感じやったんだろうか。これから起こる未来に対する少しの希望と多くの不安を持ちつつ、毎日通勤の生活が果てなく40年も続くという半ば諦めに似た絶望感。24年前に入社した時のワシの率直な感想であった。

 

 新入社員は懲役40年というワードがネット上で話題になっている。自虐的だがそう言いたい気持ちは痛いほどわかる。嫌な会社に縛られて生きる様はまさに刑務所に入れられた囚人だろう。

 

 『ショーシャンクの空に』というワシが割と好きな映画がある。妻殺しの冤罪で終身刑で刑務所に入った有能銀行員の主人公が手のひらサイズの小トンカチで独房壁を長年掘り進み(20年だったか?)脱獄に成功、ついでに刑務所長の金銭不正も暴くという痛快な話だ。 

 

 確かに見方によれば懲役40年である、しかし、もしそれが嫌ならば刑務所を代えることもできるしチャンスがあれば脱獄だって可能だ。条件はこちらに有利なはず、希望を捨ててはいけない。主人公のように頭を使い、絶望の日々の中に些細な喜びを見出し息を潜めながらその時をジッと待つのだ。(主人公の喜びは前晩に削った壁のかけら一掴みを休憩時間にポケットから庭に捨てることだ)

 

 映画の中で刑期を全うした老人が外へ出たものの仕事もなく知り合いもなく、仲間のいる刑務所へ戻りたいと言いながら自死を選ぶシーンがある。長く刑務所にいると解放されても自力で生きる力を奪われるのだ。会社に飼い慣らされた社畜日本人そっくりではないか。

 

 この映画から得られる教訓は多い。ワシは24年目のお勤めに突入したが未だ虎視眈々と脱走計画実行を狙っているぞ。しかも会社に戻りたくない自信も凄くあるぞー。しかし悲しいかな当面は諸般の事情により計画を延期する。涙。

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ショーシャンクの空に。有名なシーン