もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

異次元が続く

 

 藤井王将vs羽生九段の世紀の一戦である王将戦が注目されている。将棋ファンだけでなくにわかファンからも視線があつい。若き天才・藤井王将のタイトル防衛とみる声が多数であるが、ワシは年齢が近い羽生九段を応援している。

 

 2局目の解説を見ながら唸ってしまった。凄い凄すぎる。まさしく神と神のバトルであった。ところで形勢が均衡する1日目の後半に羽生九段によって異次元の一手が指された。普通人間では指せないらしい。この驚きの一手に対し藤井王将は50分の長考に入った。

 

 おー!若き天才の頭脳が糖分を消費しながらフル回転している。そういうことであれば高槻市名物のプリン、はにたん最中(もなか)を何個食ってもよいだろう。一方で頭脳が半分惰眠を貪っているワシはこの動画を見ながら、カントリーマアムココア味とわなげスナックうましお味をパクパク食ってしまった。おー!糖分が消費される部分を求めて行き場を失いさまよっている。

 

 この場面でこの手を指すということは、余程将棋をわかっている人間か、逆にまったく何もわかっていない人間にしか指すことができない手だとプロ棋士は解説していた。面白いコメントである。鍛錬で磨き上げた頭脳と真っさらな頭脳とでは同じ判断を下すということである。無心で自然体で指せばよいということかしら。解説動画を見ながらこの人たちは人間ではないのではないかと思った。


 そういえば異次元というワードが流行っている。現首相が昨今、異次元の少子化対策なるものを打ち出して話題になった。どこが異次元なのかと期待したが内容は割と凡庸なものであった。磨き上げるのは無理だろうから、もっと自然体で何も考えずに少子化対策を出して欲しかった。

 

 次週に3局目が金沢で行われる。本物の異次元を見れる至福の時間である。