もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

医者という職業

 

 最近youtubeで美容形成外科の高須先生(高須クリニックの父ちゃんは有名)と麻生先生の動画を見ている。いずれも視聴者質問や悩みに答えるという単純なものであるが、とても面白い。と同時になかなか良く出来た素晴らしい医師だと感心する場面も多い。TOKYO MX 『KEYMANS-未来への扉を開く者たち-』は面白かった。

 

 これまで命を救わない病気を治さない金儲けの美容系医師は多少軽蔑していたところががあるし、しかも地方の私立医大出身って正直どうなのと思っていたところはあるが、経歴はどうあれやはり医師ってなんだかんだ言って凄いと思った。医師になるまでの勉強量が一般人と比べても全然違う。

 

 今年共通テストで東大医学部を目指していた高校生が会場で3人刺傷する事件を受け、コメントしていた。高須先生は同じ高校出身とのこと。あまり他人のことは言える立場にないがと前置きしつつ次のように述べていた。

 

 東大に行かずとも医師にはなれる。本当に医師という仕事を希望するなら実力に応じた医学を学べる大学にさっさと入り早く医師になる事が大事。どこ大でも国家試験をクリアすれば同じ医師免許をもつ医師である。つまらない見栄やプライドで大学を選び、浪人を繰り返す事で損失するその時間の分だけ、困ってる人を救う時間が減るではないか。医師として活躍できる時間は有限である。医学部入学後は留年しないよう勉強に打ち込み早く医者になることだと言っていた。

 

 これはその通りかと思う。医師の勉強やスキルと受験の出来不出来はあまり関係ない。天皇陛下の執刀医、心臓外科医の天野先生なども日大医学部に3浪してようやく入学されたことでも有名だ。

 

 確かに受験偏差値がとびぬけている東大や京大の医学部生の医師国家試験合格率はさほど高くない。全国の私立国公立の医学部の中で50~60番目くらいである。なんなら地方の私立医大の方がレベルが高いくらいである。大学入学試験と医師国家試験は求められるものが違うし、受験偏差値よりも医師になりたいという熱量やその後の努力が反映するためにこのような現象が起こると言われている。

 

 実際に医師になった後に日々業務で接する患者たちというのはこれまでの周囲にいた仲間の様な偏差値70の人達ではなく、話半分もまともに通じない偏差値50の平均的な日本人なのである。お勉強よりも人間味溢れ、患者に寄り添い、話をよく聞き、高圧的でなく、わかりやすく説明してかつ快方に導いてくれる医師が有能な医師なのである。