もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

王将戦

 

 注目度の高いシリーズであった。報道記事が勝っても負けても羽生九段視点で書かれていたものが多いような気もしたが、多少の判官びいきの心情もあるのだろう。結果は4-2で藤井王将の初防衛となった。

 

 この間、藤井王将は名人順位戦も優勝して渡辺名人への挑戦権を獲得、棋王第3戦は珍しいミスで取りこぼしたが依然として渡辺棋王を追い詰めている。NHK杯もいつの間にか決勝まで登ってきた。ひょっとして、もしかして全冠とってしまうのでは?という勢いである。若い圧倒的な才能の前には、過去の実績や名声や経験や努力した時間などお構いなしに跪くしかない。全く凄い世界である。ワシは老いてなお、タイトル戦という頂上決戦で、絶対強者に果敢に挑み、2勝をもぎ取る羽生九段に感服している。

 

 どの世界でも同じだと思うが、過去の栄光(というほど大層なものでない場合多い)にすがる年配者は口ばっかり達者で若者にちゃちゃを入れてくる人が多いが、実力が伴っていないケースが殆どである。若者と同等以上の実力を持ち、相手を尊重しつつ、黙して語らず。その代わりにその向学心や現時点の成果が雄弁に語っている。年配者とはかくあるべきという模範であり、理想的な年の取り方である。

 

 ちなみにワシは会社では実力がなく、黙して語るべき内容がない状態で、単に人畜無害な窓近くにいるどうでもいいオッサンになってしまっている。実力無く、口だけオッサンよりマシかもしれん。この辺りが羽生九段との決定的な相違である。(というのは理解している)