最近仕事が面白くない(←前からやろー)ので、空き時間を見つけてある学術論文の解読を行っている。きっかけは、社内の技術報告発表会でサイクリックボルタンメトリー(CVと略)の話題があったので、懐かしーと思いながら論文を漁っていると面白いものを見つけたことが始まりである。
『自前のシミュレーションで学ぶサイクリックボルタンメトリー』という論文(ネットで無料入手できる)で、著者が自学自習のためにエクセルやfortranで酸化還元波形を描いてみる、というものだった。
CVは電極反応や物質移動を評価する代表的な電気化学的測定法の一つでワシもやったことはあるが、測定は簡単であるものの、結果の波形解釈は結構頭を使う。原理原則的なことをわかっていないと単なる実験ルーチンワーカーになってしまう。
CVは1次元Fick拡散方程式とNernst式から解を陽解法で計算するという、やっていることは一見わかりやすものであるが、実際のところなかなか大変で苦心しながら2週間ほどかけて概ね解読を完了した。電気化学の専門書や数学の本(ラプラス変換のところね)、fortran関連のネット情報を参照した。論文にはfortranプログラムコードが記載されており、当初はこれがエラーが出てうまく作動せず(多分Fortran77で書かれてる!古すぎ。)に悩んだが最後は何とか動いてくれた。
すっきりと論文内容がPCで再現できると大変気持ちがよい。久しぶりの感覚と達成感であった。直接の仕事には関係しないが、間接的には役に立つかもしれん。