もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

ガラパゴススキル

 ガラパゴススキルとは特定の会社や職場でしか役に立たない業務スキルのこと。業務を通して将来のキャリアパスが見えずに、スキルが身につかないという理由で入社数年で転職する若手が多いよう。公務員だけでなく民間の会社でも増えていると聞く。


 最近珍しく飲み会があったのだが、入社5年の管理部門系の若手が日々業務は忙しいが、なんのスキルも身につかないので社内転職したいと愚痴っていた。イベントの物品発注や業者折衝、弁当手配から当日席配置、誰と誰を隣にするかで承認をもらうなど、こんなことしたくて会社に入ったんじゃねーということである

 

 しかも評価査定のため業務目標設定では上司からこんなこと上手くなっても社外では全く通用しないスキルだよねーといわれる始末。なめとんのかー、その仕事をふっとるのお前やろーと憤慨していた

 

 確かに営業なんかであれば数値がでるので成果や業績が分かり易いし、どこの会社でも使える対人営業スキルが身につく。一方でイベント対応係は上手く行って当然、不備があれば文句一杯言われる割に成果はイベントで発表する人たちにスポットライトがあたる。やってられんというわけである。

 

 この人はイメージとしてはアメリカのような会社を理想形として思い描いているのであろう。スキル習得して次の仕事へ転職、さらにそこでスキルを磨いて他社へ転職し、階段を上っていく。ジョブ型雇用かメンバーシップ型雇用かの考え方である。

 

 ジョブ型が「仕事に人をつける」のに対し、メンバーシップ型は「人に仕事をつける」制度で、日本は外資系を除き長年後者が主であった。そのため日本の会社というところは程度の差があれ似たような感じで大まかな棲み分けはあるものの、基本雑用でもなんでもやりますという感じだ。

 

 なので新卒雇用時にはその人のできることや専門性ではなく、一生懸命頑張ります、なんでもやります、元気と明るさが取柄です、人当たり良く周りとうまくやっていけます、飲み会でワイワイするのが好きです、みたいなので入社が決まることになる。最近はこれプラス、あなた何ができるの?という要素も多少昔よりも判断されるようであるが。


 そもそも理系の開発職であっても会社生活でそうそうスキルは身につかないと感じている(経験者は語る)。ワシも最初5年くらいはひたすら朝から晩遅くまで材料仕込んで混ぜて作って評価装置に入れての繰り返しだった。ときどき客からアホボケカスとクレームが来るので、おい技術部門、対応せよと言われ、すんませんすんませんと対応するくらい。何かスキルが身に付いたとは感じないし(じっと我慢の耐性は身に付いた)、忙しいけど慣れれば誰でもできるなーと思い、日銭を稼ぐためとはいえ、働くのがバカらしくなりモチベーションがすごく下がった。ここで得たスキル(とくにないんだけど)がその後に役に立つこともなかった。


 今いる会社でも同様で、配属がコロコロ変わるためスキルと呼べるものはなかなか身につかない。広く浅いものは役にはたたない。特に社外で役に立つかと言われれば全く立たない。会社にそれを期待するのはそもそも間違っているのかもしれないし、いい加減、会社の中で青い鳥を探しつづけるのはあきらめた方が良いのかもしれない。

 

 独自進化しているのならまだしも、ワシ退化しとる。。。涙