もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

アニメ平家物語をみた、まさに諸行無常だ

 

 アマゾンプライムにアニメ平家物語があがっていたので、夏季休暇から見始めて先ほど見終わった。30分×11話の構成である。この物語は作者不明でのちに琵琶法師が後に語り継ぐものである。アニメではびわという名の子供を主人公に話が進む。

 

 大筋内容は概ね知っていた。国語の古典でも日本史でも触れるところであるし、源平合戦は話として面白いので。ただこれまでの知識は後半の勝利者である源氏視点での話が多かったように思う。

 

 不憫なのは重盛の子で清盛の孫にあたる平維盛、資盛、清経ら兄弟である。彼らは武士と言ってもほぼ貴族化しているため笛や舞は上手でも武芸は絶望的に下手で、維盛にいたっては性格が優しく穏やかで争い事が嫌いという武人としては致命的な面を持つ。

 

 盛り返した源氏と武力衝突する際には一門の棟梁長男と言う理由で維盛が大将(父重盛は早死)として出陣するが、富士川では敵前逃亡し、倶利伽羅峠では大惨敗した。

 

 都落ちの際、居た堪れない維盛は一門をこそっと抜けて出家し那智勝浦の海に身を投げた。同情を禁じ得ない。これほどミスマッチな人選はない。私の専門分野はバイオリンですが、勤務先は建築会社の現場監督です、というくらいのズレっぷりである。

 

 他の兄弟も似たような感じで横笛の名手、清経は落ちのびる途中で元家人から裏切られ、一門の未来を憂い入水した。

 

 資盛は最後まで奮闘するも安徳帝を守れず壇ノ浦で入水した。たしかに相手も悪かった。日本の歴史史上でいちにを争う戦の天才源義経であった。もっとも義経も戦は有能だが、他の能力が欠落しており今で言う周りの空気読めない人なので、うまく利用された挙句、利用価値が無くなった所で最後は兄頼朝に殺された。

 

 安徳帝とともに入水した母の徳子は敵に救助された後、京都大原の寂光院で隠棲、尼となり余生をおくる。後白河院が訪問した折、そっと粗茶と漬物を差し出すシーンがある。のちに名産となる柴漬けであった。

 

 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり

ベンベン♪