もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

徒然第十一段  神無月のころ

 

『10月ころに栗栖野を越えて山里に入ったところ、苔の細道を踏み分けた先にボロの庵がある。木の葉に埋もれる樋(とい)から滴る雫音しかしない。棚に菊や紅葉が置いてあるので誰か住んでいるのだろう。

 

 こんなとこでも生活できるのかと感心していたら、庭の大きな木にミカンがなっており、盗まれないように柵がしてあったのを見て興ざめした。この木がなかったらよかったのにと思った』という内容。

 

 有名どころキターーーーーー。国語の時間にでてくるやつのひとつ。自然に溶け込んだ風景の中に突如、人工的なものがあると確かに調和がとれていない違和感がある。さっきまで感心していたのが損した気分ということだ。

 

 現代でもこのようなのはある。綺麗な海岸の横に自販機があったり、パチンコ屋があったり。

 

 エジプトのピラミッドの向かいにはケンタッキー・フライド・チキンがあるらしい。そうしたいのはわかるけどー、チキン食いたいのはわかるけどー、それはないやろーというやつな。いつの時代も変わらん、人間というやつは。