久しぶりに本を1冊きちんと読み通した。最近、集中力がなく本が長時間読めなかった。
本書は文庫本では隠岐騒動というタイトルに改題になっている。明治維新前後の隠岐島において農民と松江藩との対立を描いたものである。なんと代官を島から追放し世界初の島民自治をある期間行った。新政府の公式文書からは混乱期のためという事で消されているようであるが、これはパリコミューンよりも数年早い。公式的にはパリコミューンが世界初とされている。
王政復活のあと島の所有が藩か朝廷かで曖昧な時期があり、藩への日頃の不満も爆発しての追放事件となった。がその後、藩の反撃が始まり鎮圧された。非暴力で筋を通す農民に対して腹癒せの虐殺や掠奪があった。
隠岐島は島流しの場所でもあり古来から天皇との関係が深い。勤王の下、神の御代を夢見て決起したものの体よく新政府からも見放された。
いつの時代もボリュームゾーンの弱者は利用され虐げられる。でも時代を変えるのもまた弱者から始まる。最近ワシは農民反乱に興味があったりする。鬱憤がたまっておるのだ。