もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

貯蓄から投資

 

 最近雑誌やネットに投資記事や特集がやたら多い、国も明らかに貯蓄から投資への意識誘導を行っている。国が成長している過程では利率も給与もGDPも年々上がるため、貯蓄でさほど問題ないと思う。

 

 しかしながら日本はこの30年ほぼ経済成長してないという世界でも極めて稀な国になってしまった。そのため、日本以外の発展・成長している他国(主に株式市場の大きいアメリカ)に投資せざるを得ない。自分の所有している資産を自身の国へ託すことができず、他国の発展に委ねるというのは考えようによっては悲しい。

 

 加工貿易国は原材料を輸入に依存するため、価格の上がった材料を海外から購入することになる。海外では経済水準が上がっているから材料価格も上がっているのだ。そのため給与は上がらないけど、国内の物価は値上がり、税金も上がり、益々住みにくい状態になっていく。それが今の日本だ。異常な国の住民は自らが世界の中で異常な状態にあるということに気付かず、いや気づけずにこれまでのやり方を踏襲し遅れをとっている。周囲が見れない視野狭窄という以外、言葉が見つからない。一体なんのために大半の国民が外国語や世界史を必修で学んでいるんだろう。テストでいい点を取るためにやってるんではないんだよ。

 

 小室氏結婚の件もあって、アメリカ大卒の初任給の高さといった情報も知れるところになり、なぜこんなにも日本と違うのだろうと疑問をもった人も多い。アメリカは物価も高いがその分給与も凄く高い。30年前はアメリカと日本の初任給とは同程度の水準であった。アメリカ(アメリカだけでなく他の世界の国は)は30年で経済成長し、日本は成長しなかった(←ほんとに日本だけやで。経済成長してないのは。ビックリするでほんまに)。単にこの違いである。ということで、最近国の政策に対してイライラすることが多い。無慈悲なテロまがいの事件多発なども世相を反映している。

 

 日本はもはや先進国ではなくなったという記事がプレジデントオンラインに記載されていた。ここでも主張は大体同じで、いつまでも先進国気取りで、没落に気づいてないのは当の日本人だけと述べている。まったく同感。過去の栄光にすがり、現状は没落しているのにプライドだけは一人前という、他国から見れば残念で痛々しい人々だ。

 

 これだけ瞬時に世界の情報がとれるのに、また世界が日本をどう見ているのかがわかるのに、この能天気ぶりはなんなのだろう。推測するに日本メディアの報道が世界情勢を報じずに日本のことばっかり報じ、みんなそれを見ている、あるいは、海外のニュース記事を読める環境にあるが読まないということなんだろう。自ら外部へ情報を取りに行く能力が欠けているというか。

 

 この先、経済だけでなく日本の人口が減少するのは人口ピラミッドを見れば確定で2100年には6000万人になる試算である。これはまず当たるだろう。現在の半分である。かつて栄華を極めたスペインやポルトガルなんかのように世界にプレゼンスを示すことのできない辺境の島国になってしまうのだろうか。まあそれはそれで、日本の身の丈にあっているような気もするが。