もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

年次有給休暇で思ったこと

 2019年の法改正で最低で5日間の年休は必ず取得しないと会社が罰則を受ける(年10日以上年次有給休暇が付与されてる労働者に対して)事になった。しかしながら日本人は相変わらず仕事大好きで付与された年休の半分程度しか消化していない。この傾向はここ20年間変わっていない。さすが世界一勤勉な国民。真面目なのか飼い慣らされているのか。

 

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 このままでは年休消化の日数足りませんので計画的に休んで下さーいと総務部は期末が近づくと声を上げる。そもそも欧米では取得率100%しかあり得なく、何故未消化の年休が存在するのかが理解出来ないという。つまり日本以外の国では年休取得率という言葉自体がないのだ。この件を見ただけでも世界の国々のなかで日本がいかに変わり者の国かが推察できよう。

 

 これは一つは宗教観の差によるものだ。日本では古来から労働は美徳と刷り込まれてきたが、キリスト教圏では労働は神が人に与えた罰である。アーリーリタイアが欧米で普通なのはそのためだ。いつまで働いている人はずっと罰を受けているダメな人たちなのだ。

 

 そういう意味ではワシの幼少期からの目標は”何もしない人”であったので、この点に於いてはすでに卓越したグローバル感性を身につけていたといえよう。我ながら達観しとる。しかしながらこの感覚を理解できない人たち(昔ながらの日本人のことね)に周辺を囲まれているため、しぶしぶ朱に交わっているという日本人的感覚も持ち合わせているのだ。

 

 だいたい働かないイコール無職というのは短絡的で印象が良くない。ワシの目指すイメージでは名探偵の明智小五郎ムーミンスナフキンナウシカのユパ様などで彼らは労働をしていないが確固たるステータスを構築しているではないか。言わば高等遊民、隠居、旅人といったところに近い。

 

 早々にリタイアしふらふらしている所に警察から職務質問された時、職業は無職ではなく、高等遊民と返答してはどうだろうか。きっと更なる追求を受けること間違いなしである。

 

 ワシも今年度は取得率50%じゃー。ここで一句。『有休を とったら次の日 仕事が倍増』。日本の労働システムの闇じゃー。

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ユパ様(ちょび髭)