もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

中間業の生きる道

 この間、YouTube高橋洋一チャンネルを見ていてなるほどと思うことがあった。高橋先生は解説の分かり易さからワシが好きな経済学者のひとりである。話題は地銀が今後生き残るのは相当しんどいというものであった。

 

 銀行は都市銀行地方銀行、信用金庫に大別できる。彼らの業務は預金者から金を預かって、それを必要なところへ利子をとって貸し出し利ザヤを稼ぐというものだ。いわば中抜き業者と同じで、借り手にとって集金手段が銀行一択であった時代はともかく、クラウドファンディングといったような第三者を媒介しない他選択がでてきた以上、廃れていくという説明であった。特に信用金庫のような地元に根付いたネットワークもなく、都銀のような技術力もない、各県一行の殿様商売をやってきた地銀は生き残る術を持たない。

 

 同様の業者として芸能事務所やメディア業界を挙げていた。なるほどメディアはmedia(媒体)という意味そのものである。中間媒体を経由することほどコストのかかることはない。なぜならそれらのほとんどは人件費であるからだ。そういう意味では輸入代理店や人材派遣会社なんかもこのビジネスモデルに近いと思われる。これほど一般にネットが普及しているのだから代理店を経由せずに直接個人で商品を購入したり、個人のスキルを売り込んだり、フリーランスとして独立することが昔よりはるかに簡便になっている。売り手と買い手の間のプロセスを可能な限り削減し、直接やり取りするのが最も手っ取り早いという極めて当たり前でシンプルな考え方に帰着する。時代にあわなくなった一部の中間業、間に入る人達は斜陽化するということだろう。

 

 そういえばユニクロなどのアパレルも企画・製造・販売を一体化して行うSPA(製造小売業)を導入して価格破壊が起き、従来のアパレル業界の勢力図を塗り替えた。極力不要な中間媒体を排除したから成し得たことである。

 

 一般化するとmedia媒体に類似する業務は技術の普及や時代とともに存在価値を失い廃れる可能性が高いということ。広い意味で一般企業の中間管理職なんかもそうなのかもね。おそろしや。今のうちにスキルを磨いておきましょう。もう遅いか。

 

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