コロナにより金価格が高騰する反面、プラチナの下落が続いている。有事の際には現金ではなく現物資産である金が有効と昔から言われてきた。とは言え同じ貴金属、産出量も金の1/40しかないプラチナの下落原因がよくわからなかったので調べてみた。
希少価値という意味ではプラチナに軍配が上がる。ではなぜ価格下落が続くのか。それは用途に違いがある。
金:宝飾用 8割>工業用
プラチナ:工業用(ほぼ自動車排ガス触媒)6割>宝飾用
金の大半が宝飾用に対して白金は自動車触媒用である。早い話、白金は金と違って ジュエリー製品でなく工業品なのである。そのため景気の影響を受け易い。特に最近は自動車産業にとってはネガティブなことが多い。コロナで販売が伸びない、若者の車離れ、触媒を使用するガソリン自動車から触媒フリーの電気自動車へのシフトなどなど。おそらくプラチナ価格が短期間にもとに戻る可能性は低いと考える。
もし上昇するとすれば燃料電池車(FC車)の普及が条件である。燃料電池にはまだまだ多くの白金触媒が必要だ。しかしながら現状ではFC車の普及は程遠い。この普及には水素インフラが必要である。すでにインフラのある電気とはわけが違う。経産省の水素基本戦略シナリオを見ても現状と乖離があることは否めない。というわけでプラチナへの投資はよくよく考えたほうがよさそうだ。