もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

古墳のひみつ 古代浪漫探究会(メイツ出版)

 世は古墳ブームであるらしい。古墳女子たちがこぞって古墳検定試験を受け、古墳巡りを行い、博物館で配布される古墳カードを収集している。これら一連の行動を墳活というらしい。前方後円墳で萌え萌え!古墳に大コーフンするらしい。←私が言ったのでない、何かのキャッチコピーのようだ。何となく古墳に魅かれるのは理解できる。しかし墳活はそこまで興味がないかなあ。神秘的な感じはするが、今は町おこしのための金の匂いを感じるなー。まあ何かのついでに見に行くのは楽しそうだけど。

 

 小学校のとき社会見学を兼ねた遠足で新日本製鉄の堺工場と仁徳天皇陵を見学したことがある。歴史は習い始めで知識はあったのかも知れないが、実際の古墳を見ても何も感じなかった。地上で見ると大きすぎてほとんど木の生えた丘である。しかも立ち入り禁止だし。これが世界最大の古墳だと言われてもどう反応したらいいのだ。むしろ堺工場でもらった鉄ができるまでプロセスを描いた下敷きの方がうれしかった。どうでもよいが当時は古墳によく埋められている埴輪(はにわ)と土偶(どぐう)の違いが長い間よくわからなかった。(埴輪と土偶では時代が全然違う。口をぽかんと開けてアホみたいな顔をしているのが埴輪、目がメッチャ細いのが土偶と覚えたぞっ!)

 

 本書はカラーで全国の有名どころの古墳を紹介している超入門書である。空撮だとさすがに綺麗で神秘的な感じがする。卑弥呼で有名な箸墓古墳蘇我馬子の石舞台、壁画で有名な高松塚、磐井の乱でお馴染みの岩戸山、継体天皇の今城塚、いいチョイスじゃないかー。たまらん、なんて暴力的なんだー(孤独のグルメ風に)。私が昔から気になってたのが瀬戸内の五色塚古墳。海と溶け合い近未来な要塞基地みたいで素晴らしい。こうしてみるとなかなかどうして古墳マニアの素質を有しているかもしれん。

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埴輪と土偶