晩御飯の際、妻が魚の骨を喉に詰まらせた。急いでうがいを試みたが喉奥に引っ掛かったようでなかなか取れない。時間的に近隣病院の診察は終わっている。違和感があり明日までは耐えれないということから夜間対応の救急病院へ電話をかけることにした。
ところが意外なことに断られた。しかも3件も。理由として喉は耳鼻咽喉科の範疇で専用の内視鏡が準備されていないために、診ることはできても処置はできないということだった。なるほど夜間救急は内科や外科など突発的に急を要する症状であることが多い。診察できない代わりに夜間対応の耳鼻咽喉科を教えて頂いたが、街中にあり少々遠い(電車とタクシー乗り継いでという距離)。仕方がないのでとりあえずLED懐中電灯で口の中を覗くと喉奥につっかえた細い骨が見えるではないか。たまたま救急箱にあったピンセットを用いて妻が鏡を見ながら悪戦苦闘、なんとか自力で引っ張り出すことに成功した。骨は結構大きい!これに気づかず飲みこもうとするのも相当なものであるが、ともあれ久々に冷や汗をかいた事件だった。
教えられた夜間対応の耳鼻咽喉科のHPにはこう書かれていた。
当院は夜間も対応している耳鼻科です。夜間は夕食時に魚の骨を詰まらせて駆け込む患者が非常に多くなっています。
普段困らないがいざというときにあれば助かる夜間耳鼻科。ニッチなニーズにこたえるこの病院のビジネス戦略は素晴らしい。
教訓:食べ物は急がずに良く噛んで飲み込もう。(小学校の標語みたい。我々の周りにある法則は驚くほど単純明快である)