もはやこれまで

隠遁を願うアラフィフ会社員。中学校の卒業文集で将来の夢は”何もしないひと”と書いた。あれから35年、夢も画力も変わっていない。

英文解釈教室の進捗

 

 英文標準問題精講を読了したのち、アマゾンポイントでタダ同然で入手した英文解釈教室[改訂版]を毎日数ページづつ進めている。伊藤和夫先生の英文解釈教室は英文標準問題精講と並び、今ほど参考書/問題集の選択肢が多くなかったワシの高校時代における横綱のような存在である。学生時代は当然この本の存在は知っていたがうわさに聞く評判があまりに凄いものだったので手を出さずにいた。そもそも英文標準問題精講も標準という名前に騙されて購入し、早々本棚の飾りになってしまったくらいなのに。

 

 伊藤和夫先生は駿台予備校の重鎮であったが、晩年、旺文社の大学受験ラジオ講座でも英文解釈か英文法かを担当され、高校生だったワシも1年間はラジオを半分寝ながら聞く機会を得た。喋り方に抑揚がなく超単調で思いっきり日本語原稿読みの英語で淡々と話すその様は滅茶苦茶眠気を誘うものであった。内容は当時も今もなにも覚えていない。(YouTubeに講義動画の一部があがっていますね。この喋り方、今聞いても眠たくなるぞ)

 

 英文解釈教室の評判とは、以下のようなものであった。

-あまりの難しさのために大半の学生が途中で挫折する

-この一冊だけしっかりやれば今後出てくる英文で読めない英文はない

-レベルの低い学生(ワシのような)にとってはオーバーワークでここまでやる必要ない。というかできない。

 

 現時点で300ページ強ある英文解釈教室の約半分の150ページまで進んだ。記録によればここまでくるのに2か月を費やした。確かに標準的な高校生にとっては上記評判はその通りで、英語が得意で学習時間の大半を英語に充てる環境でないとこなすのは難しく消化不良を起こしそう。文章構造がムズイ、単語がムズイ、文章内容もそこそこムズイ。英語のプロ翻訳家を目指す人がこの本を使って勉強することもあるようだ。裏を返せばこういったレベル層に対しても学ぶ価値があるくらいの難度の本ということ。

 

 この名著攻略は5合目まで到達した。このぶんだと順調にいってもゴールが見えるのは9月頃かなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルコール飲まなくなった

 この1年でアルコールをほぼ飲まなくなった。禁酒しているわけではないが昨今の事情で外で飲む機会は皆無で、家でも睡眠が浅くなり、次の日に体がだるくなるために自然と飲まなくなったのだ。多分年のせいだ。以前はこんなことなかったのに。

 

 コロナ自粛や若者のアルコール離れに加えて、第3ビールの酒税値上がりもあり、ビール会社は苦戦しているらしい。さらに敢えてお酒を飲まない『ソーバーキュリアス』が海外でブームらしく、お酒を飲まないのはかっこいい、ということになっているらしい。

 

 ところでアルコールは体に良いかどうか議論が最近また話題になっている。一時は飲みすぎはダメだが、適量はむしろ体に良いのだ、酒は百薬の長という論調であったのだが、最近になってアルコール摂取自体が体に害という見解が出てきた。『少量飲酒は体にいい』を否定する論文が2018年にでたのが発端らしいが、確かに少量飲酒は循環器疾患の発症には抑制効果があるようであるが、その他の病気のリスクが高くなるために、トータルとしては飲まないのが一番いいらしい。

 

 現在ワシはビールの代わりに炭酸水をがぶがぶ飲んでいる。非常に安上がりの上、睡眠阻害もない。しかしビール同様にトイレにはすぐに行きたくなるので注意である。

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さけ

 

方丈記 鴨長明 いろんな出版社

 徒然草に続いて方丈記の解説本を読んだ。徒然よりもさらに100年前、無常の文学で有名な作品だ。

 

 長明の時代、京都で起こった大火事、大地震、竜巻、大飢饉、突然の京から福原への遷都。いずれも抗い難い自然や大きな権力が関与しており、個の力ではなすすべ無し、バタバタ人が死んでいくのを見て放心状態。世の中は常ならず、日々変わっていくのだ。そんな時代に身分や財産や棲む家に執着し、心荒れ、心配事を多く抱えるなんてなんて貧しい生き方であることよ、豊かさの価値を疑え、と言っている本である。

 

 この常ならずという考え方はこの宇宙の根底を貫く法則である。仏教の諸行無常の考え方は、古代ギリシアでは万物は流転する(by ヘラクレイトス)になる。時間スパンの差はあれこの世で変わらずに存在し続けるものはいない。過去から現在そして未来へと続くと思われる時間ですら有限で終わりがあるのである。(アキレスと亀のゼノン逆説でも有名)なんて虚しい。

 

 無常を思うと常住を希求する。永遠の生命を欲する。人間の思考や記憶を形成するものが動的平衡な挙動をとっている以上、これは自家撞着はなはだしい。

 

 だからこそ方丈記なのだ。長明の言い分に耳を傾け、心豊かな人間らしい生き方をしよう。

 

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竜巻



 

 

京大医学部へ今年飛び級で入った女子が凄すぎる件

 京大医学部へ今年高2で入学が決まった女子がネットで話題になっている。高2での入学は極めて珍しい(初めて?)らしい。特色入試の受験資格を満たしての合格らしい。この資格というのが凄い、『高校生対象の国際科学オリンピック(数学、化学、物理、生物)の日本代表として選ばれ、世界大会に出場した人』。無茶苦茶レベルが高い。国際科学オリンピックに選ばれた人は後にその道の学者になるケースも多いようだ。

 

 さて、この人の経歴を見てビビった。上記すべての科目でオリンピック代表となり、さらには地理オリンピックも出場、メダルまで取っている。しかも英検1級(高校の英語教師でも取れない人多い)。どれか一つの科目で日本代表になるのもすごいのに。しかも国際物理オリンピックは代表候補でありながら、今回高2で大学生となってしまったため、出場資格を失ってしまったという。超人である。すべての教科に於いて教える側の高校教師より既にレベル高いのではないの?こんな人間いるんやねー。

 

 いつの時代においてもときどき運命のいたずらで天才が生まれてくる。このような天才は大人の下らん事情で芽を摘んではいけない。人類の損失である。

 

 

it's finger lickin' good

  久々にケンタッキーフライドチキンを買いに行った。前回食べたのは何年前だろう。ファーストフードの中でも割高感があるがたまに食べるとそれなりに美味しい。5月末まで30%オフキャンペーンだったのでがっつり食べようということになった。外食もほぼ最近はしてないし。

 

 2320円のバケツが1600円になっていたのでこれを選んだ。実はバケツサイズで買うのは人生初めてである。バケツの蓋には it's finger lickin' good の文字が。指をなめるほど美味しいという意味。最近アメリカのKFCではコロナの影響でfinger lickin'の部分をモザイクをかけて消しているらしい。

 

 久々のフライドチキンは美味しかった(でも2個半が限界)。妻案により食べ終わった骨は残しておき、コトコト煮込んでスープをとり、ホッティー塩を使った塩ラーメンが夕食のメインになった。ケンタッキーの骨でとった鶏ガラスープは非常に美味しいので有名らしい。

 

 翌日、天気が良かったので2時間ほど散歩をした。妻はフライドチキンを使ったサンドイッチを作るという。こちらも非常に美味しかった。

 

 今、空のバケツは野菜入れに使われている。何から何まで無駄なく使われるクジラみたいである。

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KFCのバケツ

 

 

 

ビタミンDサプリを購入した

 コロナで在宅も多くなってきた。梅雨も始まり日光にあたる機会もめっきり減ってしまった。最近読んだ健康本によれば現代人は日光不足によりビタミンDが慢性的に不足のようである。ビタミンD摂取量は基準が最近変更されたこともありホットな栄養素である。

 

 大学のHPによると、日本人の8割でビタミンDは不足しており、4割で欠乏していると言われている。ビタミンD欠乏は骨粗鬆症をはじめ、他には免疫異常なんかが起こる。日光照射は過剰でも紫外線の影響があるし、不足しても影響がでるのでほどほどが良いのである。

 

 ビタミンDは安価であり、健康本の医師もサプリ飲用を勧めているのでアマゾンで注文することにした。日本の大手2社、アメリカ製を検討した。どれもあまり変わらない感じであったが評判の良いNature MadeのSuperDを選定した。アメリカは昔からサプリメント先進国であるので消費者の見る目が厳しいのだ。一か月で500円程度である。ビタミンDを飲んで健康になりましょう。

 

 

 

 

 

今堀弥吉くん12歳のこと

 日本は早々と梅雨に入ったが合間の晴れ日を狙って近所の天満宮へ訪れた。幼少期から何度も訪れた事があるので目新しい所は無いと思っていたのだが、本殿近くに絵馬堂という休憩小屋のようなのがあったのでフラッと立ち寄った。

 

 その頭上には怪しげな図形が額に飾ってあった。どうやら初等幾何の様である。じっくり見るとなんと算額であった。噂には聞いていたが実際には初めて見た(後で調べるとこれはレプリカのよう)。算額とは江戸時代の庶民の娯楽であった数学の問題を作問し、出来の良いものを神社などに奉納するのである。それをよってたかって誰が1番早く解けるのかを競うのだ。庶民の娯楽が数学って信じられん。今で言えば家族そろってイオンモールとかTVゲームとか海水浴の代わりに、家族そろって神社へ数学を解きに行くのである。

 

 良く知られているが江戸時代の日本人の数学力は当時の世界の中でも飛び抜けている。鎖国を行いヨーロッパの学問と接点がなかったにも関わらず日本国内でガラパゴスのように独自進化を遂げたのだ。

 

 問題作成者を見ると今掘弥吉12歳となっている。寛政二年1790年(230年前!)に弥吉君は合計9問を奉納したらしい。折角なので帰ってHPで調べて問題をやってみた。ガビーン!おい弥吉!結構むずいぞ。普通にルートとか三平方定理を使わないと解けないぞ。そもそもルート記号のない江戸時代にお前はどうやって解いたんだ!

 

 その後、弥吉君は大きくなって家業を継いだとのこと。弥吉君はもし現代に生まれていたらどうなっていただろう。多分数学者になっていたのかも。230年前の子供が考えた問題を現代のアラフィフが唸りながら考えるという時空を超えた不思議な話ではある。

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弥吉君からの出題